新たなる地域産業へ「オール和歌山」を目指して

 

 

耕作放棄地が多い高野町富貴地区にて和歌山県産ホップの栽培とオール和歌山のクラフトビールの製造を行い、新しい産業として確立させる「農商工連携」プロジェクトです。クラフトビールの主原料である「ホップ」は大半を輸入に頼っており、ペレット状のものを使用しています。そのホップを高野山の参道の宿場町として栄えた富貴地区にて栽培し手摘み収穫した生ホップを使用することで、「風味・味わい」共に今までにない高付加価値のクラフトビールが醸造可能となります。そのクラフトビールを和歌山県の新たなるギフト(お土産)やふるさと納税品として定着させることで雇用の創出と地域活性化に寄与し産業化を目指します。

ホップ栽培における知識

ホップ栽培・・・。それは簡単なものではありませんでした。一番の問題点は「土壌」です。「当帰(とうき)」を栽培していたとはいえ、十数年耕作放棄地として何も手を入れられていない土壌は痩せ、栽培できる状態ではありませんでした。ホップ栽培に適した土壌はどんなものなのか、水はどのくらい必要なのか、農薬のタイミングや量は?、疑問は深まるばかり。そこで私たちの最大の強みは「ネットワーク」と「行動力」。自分たち独自で調査したり、ホップに詳しいプロフェッショナルの方を訪問し、ヒアリングして知識を身につけトライ&エラーを繰り返し、富貴の土地にあった土壌開発に成功。やっとの思いでホップ栽培のスタートラインまでこぎつけられました。肥料においても全てがオリジナルです。有機肥料での栽培を心がけています。しかし未知数なことが多いのも現実です。今後は日本発のホップ栽培「GLOBAL.G.A.P」取得を目指しています。

オリジナリティーの追求

 

 

ホップは成長すると5~7mの高さとなります。収穫の際は「手摘み」が基本なので、高所作業車や梯子での収穫がほとんどです。しかしこれにはリスクが伴い生産効率も良くありません。富貴のホップ畑では、棚を手動にて上昇、下降させる仕組みを開発し採用しております。数メートルピッチで地上にいながら収穫することが可能ですし、成長に合わせて、バーを上昇させることで茎へのダメージも軽減させる効果もあります。そしてホップ畑全体の対加重を約2トンとし、台風等の被害にも対応できるように設計しています。このホップ棚は全てがオリジナルです。今後、意匠登録や特許申請も視野にいれ、コストダウンを図ると共に、ホップ栽培の生産効率化を目指して活きたいと考えています。

地域住民の皆様と一緒に

本事業は2018年3月から開始しましたが、富貴地区の住民の皆様には告知もせずに始めました。事業開始当初は、ホップ栽培がこの土地で本当に収穫が出来るまでに成長するかも分からない上、昨今のゲリラ豪雨や台風等の異常気象の影響も考えられました。5月頃からホップも急激に成長したこともあり、近隣住民の方々にお声がけもいただき、本事業を説明する機会が増加するに応じて多くの方に興味を持っていただけました。そして2018年8月11日に収穫祭を実施することが出来ました。約50名の方々に手摘み体験と、早摘した富貴産ホップを使用したクラフトビールを飲んでいただきました。うれしい事に「うちの土地使ってホップ栽培したい」という声も聞け、事業化し産業化することの意義を再認識しました。2019年には高野町と一緒に事業展開させていきます。